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津山高専のカリキュラム・ポリシー

総合理工学科

津山高専のカリキュラム・ポリシー
(平成28年度以降入学者用、平成30年度以降3年次編入学者用、平成31年度以降4年次編入学者用)

総合理工学科のカリキュラム・ポリシー

 総合理工学科は、学習教育目標に定める「科学的思考を身につけた実践的・創造的技術者の養成」を行うために、全学共通科目、基盤専門系科目(全系基盤共通科目、系必履修科目)、選択プログラム科目、融合科目および選択科目で構成される体系的なカリキュラムを提供している。
 これらの科目の構成を以下に示す。
■「全学共通科目」
 全学共通科目は総合理工学科全体で統一された科目であり、人文系基礎科目、理学系基礎科目、保健・体育、語学系基礎科目より構成される。(主に講義、実験)
■「基盤専門系科目(全系基盤共通科目)」
 全系基盤共通科目として工学系基盤科目と理学系基盤科目を開講することにより基礎科学(理学)と工学の統合教育を推進する。(主に講義、実験)
■「基盤専門系科目(系必履修科目)」
 系必履修科目では、それぞれの系の専門性を特化する。(主に講義)
■「基盤専門系科目(必修科目)」
 必修科目として実験実習科目を設定し、それぞれの系の専門性を特化する。
■「選択プロブラム科目」
 選択プログラム科目においては各系の専門性の深化(所属系が開講する選択プログラム科目の履修による)と分野横断的な融合(他系が開講する選択プログラム科目の履修による)を図る。さらに、全学の選択推進プログラム科目により、医療・福祉、国際コミュニケーション、地域イノベーションなど社会や地域との関連する話題等について学習する。(主に講義)
■「融合科目」
 融合科目では、他系科目の履修や系横断・学年融合型の全系横断演習などにより学科全体にわたる融合教育を推進する。(主に講義、演習)
■「選択科目」
 選択科目では、国際交流、地域貢献、学外での企業や大学等での実習、他機関での履修科目(シナジーゼミナール)等を単位化し、学内だけの授業では得られない活動を推進している。

 ディプロマポリシーに対応する科目は以下のようになっている。
目標(1)教養豊かな実践的人間力の養成【人間力】のための科目
 全学共通科目が位置付けられており、全学生が共通に履修する。
目標(2)確かな基礎科学の知識修得【基礎学力】のための科目
 基盤専門系科目の中の全系基盤共通科目が位置付けられており、全学生が共通に履修する。
目標(3)基盤となる専門性の深化【専門性】のための科目
 基盤専門系科目の中の系必履修科目が位置付けられており、各系の学生が履修する。また、基盤となる専門性の深化をさらに推し進めるための科目として、各系の選択プログラム科目が位置付けられている。より高度な専門分野として各系2つのプログラムがあり、学生は選択した科目を履修する。
目標(4)分野横断的な融合力の育成【融合力】のための科目
 融合科目が位置付けられており、他の専門分野を学習することを目的としている。全学生が履修する。
目標(5)グローバルな視点と社会性の養成【国際性】のための科目
 選択プログラムの中の推進プログラム(国際コミュニケーション推進プログラム、地域イノベーション推進プログラム、および医療福祉推進プログラム)科目が位置付けられており、全学生がそれらの中から3科目を選択して履修する。
目標(6)課題探求・解決能力を育成【行動力】、および目標(7)コミュニケーション力・プレゼンテーション力の育成【自己表現力】のための科目
 融合科目の中の全系横断演習Ⅰ・Ⅱや基盤専門系科目の中の卒業研究が位置付けられており、全学生が履修する。

 各系の教育課程は授業科目表に示すとともに、各科目の授業内容・方法、授業計画、到達目標、成績評価方法等は、Webシラバスにおいて公開し、学生に周知する。各科目の単位修得はシラバスに記載された成績評価方法を適用して認定し、その科目を履修し、かつ学業成績が60点以上であることが必要である。例えば、講義、実験・実習、全系横断演習Ⅰ・Ⅱや卒業研究は次のように評価する。
 講義は定期試験、課題、レポート等で評価する。
 実験・実習は実験態度や報告書等で評価する。
 全系横断演習Ⅰ・Ⅱや卒業研究は、取組状況、報告書、発表等で評価する。
 各系における専門性の深化に関するカリキュラム・ポリシーを以下に述べる。

先進科学系(先進科学教育・研究を志す人材と理学の素養豊かな技術者の養成)

 先進科学は自然現象の解明のみならず我々の生活や産業に有用である。たとえば電子機器は量子力学を基礎とする電子工学で生産され、化学は衣食住を支える材料や製品に不可欠である。そしてバイオテクノロジーの再生医療への応用は目を見張るものがある。また宇宙物理学や天文学などにより宇宙の成り立ちや構造が研究され、科学技術を表現する数学は自然科学と相互に影響を及ぼしあいながら発展してきた。
 先進科学系では、先進科学の教育・研究を志す人材、理学の素養が豊かな技術者を養成する。そのために、「生命から宇宙まで幅の広い科学教育」をスローガンとして掲げ、数学、物理科学、化学、生命科学などを基軸とする理学とその応用を支える基礎工学について統合的かつ融合的に学べるカリキュラムを設定している。
低学年では数学、物理、化学、生物などの基礎科学、およびコンピュータ利用の確かな基礎知識を修得する。またPBL授業を行うことで自然科学へのモチベーションを高める。
高学年では数学・物理を専門的に学習する数学・物理科学プログラムと化学・生物を専門的に学習する物質・生命科学プログラムを開設する。物質・生命科学プログラムでは、バイオ分野の科目も開講する。学生はどちらかを選択することにより、さらなる専門性の深化を図る。

機械システム系(次世代の産業社会を担う機械システム技術者の養成)

 機械工学は産業を支える基幹技術であり、電気ならびに情報分野と協働しながら豊かな社会を実現するために多様な機械システムを生み出してきた。一方では、自然との調和を軽視した発展の結果、地球温暖化、大気汚染などの問題も生じている。また、現在直面しつつあるエネルギー問題や少子高齢化などさまざまな制約下で、豊かで持続可能な社会を実現していかねばならない。そのため、機械工学には更なる深化と他分野との融合による総合的な発展が不可欠であり、技術者にはシステム全体を見通せる広い視野が必要となる。
 機械システム系では、「次世代の産業社会を担う機械システム技術者の養成」を目指して、機械システムの本質と他の技術分野との融合による課題探求・解決を学ぶことができるカリキュラムを設定している。そして機械工学とその基礎を支える理学を総合的かつ融合的に学ぶ。
低学年では基礎科学の知識に基づき、機械設計系科目や材料系科目、機械系基礎科目などを修得する。
高学年では力学系科目や計測制御系科目などを修得するとともに、力学的な観点から理論を組み上げる設計にとどまらず生産プロセスまでを主眼においた機械設計プログラムと制御や情報分野などの幅広い知識を組み合わせるメカトロニクス技術を主眼においたロボティクスプログラムを開設する。学生はそのどちらかを選択することにより、さらなる専門性の深化を図る。

電気電子システム系(環境エネルギー・エレクトロニクス社会を担う技術者の養成)

 人間が利用するエネルギー源(動力源、熱源など)は長い間「人力」「自然現象(火、風、水の流れ)」であった。18世紀に蒸気機関が実用化され、その後内燃機関へと発展した。それに伴いエネルギーも固形燃料(石炭など)から液体燃料(石油など)へと変化してきた。そして電気が発明され安定供給されるようになると徐々に動力源としての利用が多くなってきた(モータなど)。一方、量子力学を基礎とする電子工学により半導体などのエレクトロニクス技術の発展は目覚しく、電気は情報通信、システム制御において必要不可欠なものとなっている。
 電気電子システム系では「環境エネルギー・エレクトロニクス社会を担う技術者の養成」を目指して、電気電子システムの本質と他の技術分野との融合による課題探求・解決を学ぶことができるカリキュラムを設定している。そして電気電子工学とその基礎を支える理学を総合的かつ融合的に学ぶ。
低学年では基礎科学の知識に基づき、電気回路、ディジタル工学、電気磁気学などを修得する。
高学年では発電工学、電子回路などを修得するとともに、環境に配慮したエネルギーづくりを目指した環境エネルギープログラムと豊かで便利な社会を実現するために必要な先端エレクトロニクスに関するエレクトロニクスプログラムを開設する。学生はそのどちらかを選択することにより、さらなる専門性の深化を図る。

情報システム系(情報システムを統合的に理解し、設計・構築・保守運用のできる技術者の養成)

 産業構造の変化とグローバル化により、現代社会は多様な情報システムの助けなしでは成り立たなくなっている。今後もIoT(Internet of Things)の普及により自動車や家電製品だけでなくあらゆる「もの」がインターネットを中心としたネットワークに接続され、相互に情報のやり取りをする社会が予想される。このように急速に進化する情報システムが、豊かで安全安心な生活を支えるとともに、資源やエネルギーの効率的な利用を可能にしている。これらのことより情報システムには信頼性、可用性、保守性、運用性が重要であること、かつ組織内外からの攻撃や妨害を防ぐ高いセキュリティ性能が必要である。
 情報システム系では「情報システムを統合的に理解し、設計・構築・保守運用のできる技術者の養成」を目指して、情報システムの本質と他の技術分野との融合による課題探求・解決を学ぶことができるカリキュラムを設定している。そして情報システムとその基礎を支える理学を総合的かつ融合的に学ぶ。
低学年では基礎科学の知識に基づき、プログラミング系科目やコンピュータの基礎系科目、情報ネットワーク系科目などを修得する。
高学年では基盤専門系科目を中心に修得するとともに、ネットワークの設計・構築・保守運用および情報通信技術を主眼においたネットワークプログラムと情報システム技術を応用して様々な「もの」や「サービス」を融合したシステム設計・構築・保守および組み込み技術を主眼においたICTプログラムを開設する。学生はそのどちらかを選択することにより、さらなる専門性の深化を図る。