本校は、科学技術が急速に発展する社会のなかで、指導的な役割を果たす高度な知識を持った技術者を養成するために設置された国立の高等教育機関です。教育内容は、高度の専門知識と実験・実習などを重視し、実践的な技術を修得できるような教育課程になっています。
令和3年度以降入学者用教育課程表(PDF)
総合理工学科案内
高等専門学校(高専)を取り巻く環境は変化しつつあり、急速に進む科学技術や生産活動のグローバル化、エネルギー問題や少子・高齢化など新たな課題に対応できる人材の養成が求められるようになっています。このような状況に対応するため、これまでの教育体制を見直し新たな高専としての役割を果たすべく学科の構成を変更しました。
主な変更点は、既存の専門分野である機械・電気電子・情報に加えて生物・化学を含む基礎科学分野を追加した点と、機械・電気電子・情報の融合教育を行っていた電子制御分野は、全学的な融合カリキュラムとして取り込み、全体を1学科に統合した点です。統合後の学科名称は「総合理工学科」とし、基礎科学としての理学と実践のための工学の統合教育を行います。
養成された学生の就職先は、製造業(化学・石油工業、機械等)を中心とした企業に加え、化学・バイオ・薬品企業などが新たな対象となります。また、進学先については、高専専攻科、技術科学大学、一般大学の工学部に加え、一般大学の理学部、農学部、環境系学部、薬学部なども対象となります。
「総合理工学科」は、先進科学系、機械システム系、電気電子システム系、情報システム系の4つの系で構成され、それらの特徴を以下に記します。
先進科学系
「先進科学教育・研究を志す人材と理学の素養豊かな技術者の養成」
先進科学は自然現象の解明だけでなく、我々の生活や産業に非常に重要です。例えば、バイオテクノロジーの再生医療への応用には目を見張るものがあります。そこで、先進科学系では、数学・物理科学・化学・生命科学を中心とする理学とその応用を支える基礎工学を幅広く学びます。
卒業後は、理学部など大学自然科学系学部3年次への編入学や、化学・医薬品・化粧品・電気・情報・材料分野をはじめとする一般企業への就職など幅広い選択肢があります。
機械システム系
「次世代の産業社会を担う機械システム技術者の養成」
技術が急速に進歩する中で、次世代の産業社会を担う技術者には、力学・設計・工作・電子制御などの幅広い知識が必要で、これらの基礎から応用まで学びます。さらに、CADによる3D図面の作成法やCNC・MCと呼ばれるコンピュータ制御の工作機械を使う技術も身に付けます。
卒業後は、輸送用機器・精密機器・電気機器などのメーカーをはじめ、鉄鋼・化学・食品などの分野への就職や、専攻科への進学、大学への編入学など幅広い選択肢があります。
電気電子システム系
「環境エネルギー・エレクトロニクス社会を担う技術者の養成」
皆さんの家にある家電製品や工場・新幹線・オフィスビルなどの設備は電気なしには動きません。このように私たちに欠かせない電気の働きを、基礎から応用まで、電気の生成(発電)から電気の利用(モーターや通信・制御機器など)に関して、材料・半導体素子・電子回路まで幅広く学びます。
卒業後は、電力・電気・電子産業をはじめ、情報や医療・福祉、ロボット、環境・エネルギー分野への就職や、専攻科への進学、大学への編入学など幅広い選択肢があります。
情報システム系
「情報システムを統合的に理解し、設計・構築・保守運用のできる技術者の養成」
現代はネットワークが整備され、情報システムは急速に進歩しています。この情報システムを新たに設計・構築したり、システムを安全に管理運営するには、その仕組みや働きのことがよくわかった情報システム技術者が重要となっています。情報システムの本質を勉強し、発生する課題に対処できる技術を学びます。
卒業後は、情報通信分野をはじめ、システムインテグレータやソフトウェア関連分野への就職や、専攻科への進学、大学への編入学など幅広い選択肢があります。